先日、東京に行ってきました。関西では収益物件の価額に占める融資率が落ちてきているので、東京はどうかと思って、 銀行で確認しますと意外なことがわかりました。収益率は関西の方がずっといいので、収益還元でみても、計算上関西の方が良くなるはずなのですが、実際にはその逆です。収益性が悪くとも東京の物件の方が、担保力は高いと銀行は見ています。これはマーケットの大きさに関係しています。東京都区内は今後も地価は上昇するとみています。表面利回り6%台でも満額に近い融資が実行されるケースもあります。この場合、物件単体で見ますと、キャッシュフローは完全な赤字です。でも他に不動産所得のある人や、高額所得者には当該物件のみの担保で、融資が受けられるのです。結論的には、自己資金や収入の高い人が融資を受けやすいということです。これに関しては、関西も関東も同じです。ですから、都会に住む自己資金の少ない人で、フルローンを使って物件取得を考えている人は、その多くのケースで地方の物件を購入しているのです。ただ借入れしやすいということだけでその選択をしているようです。これはある意味正常ではありません。特にサラリーマンの人は、片道何時間もかけては、そうそう取得した地方物件を見にはいけないでしょう。すなわち、物件を購入しても、売られる理由をしっかり把握しておかないと、数年で損をして売る側に回る可能性もあります。借入れがしやすかったことが理由で購入するというのは、単に借金をしたということで、資産価値の維持向上に手を加えないと後悔することにもなりかねません。私の考え方だけが正しいとは思っていません。でも失敗に終わらなければいいがと思ってしまいます。
銀行は融資をすることが目的ではなく、貸したお金の元本を確実に回収し、利息で収益を得ることが目的のはずです。借りる側は、借りることが目的ではなく、元利金を確実に返し、収益と資産を自分のものにすることが目的なはずです。元利金の返済は家賃が確実に入ってきてこそ成立つ話です。そこを見誤ってはいけないと思います。 和合 実