「収益不動産を斬る」和合実の目

 私は関西地区を営業基盤にしている関係で、関東地区の情報は積極的にこちらから求めないと手に入りません。ですからここでは主に関西地区の不動産について、気付いたことを収益不動産にこだわらずお話していきます。 

 私が「トレジャー発見勉強会」を始めた2年数ヶ月前、不動産市況の「潮目」について話をしました。当時は今から考えましてもその「潮目」の時期であったと思います。特に大阪市内中心部の地価が上昇していく魁のころでしたね。そのころ私は多くの地主さんに、都市周辺部の所有地をできるだけ早く売って、中心部の不動産に買換えを強くお勧めしました。その通りにされた人は、買われた不動産の方に、今はすごく含み益が出ていますね。中には購入時の2倍以上の値段にもなった物件を買われた人もいます。
 ところが最近、私は言い方を変えています。買換えは今もお勧めしていますが、買う物件については、「中心部を」とは言わなくなりました。それは今の価額が危険水域に入った可能性があると見ているからです。辻褄の合わない価額になってきています。この状況下で素人の方が手を出すのは危険です。よほど吟味しないと買ってから後悔するのが落ちという状況です。詳しくはまたの機会にしますが、不動産業者の中には売り抜けできなくて困っている物件を抱えているところもあるということを覚えておいてください。もうしばらくすると、たぶん半年先、1年先ぐらいから値段の下がりだす物件も出てくると私は見ています。行き過ぎるとその反動は必ず来るという考え方です。このように行き過ぎた価額になっている物件を無理に買う必要はありませんね。これからしばらくは待ちの姿勢も大事かと思いますよ。
 今後ますます素人の方には物件の選別が難しい状況になっていくと思います。何が難しいかといいますと、一言で言うなら不動産価値の見極め方です。損をしないための不動産所有です。儲けようと思ってもそんなに簡単ではありませんよ。私の見方が正しければ不動産業者でもこれからまた損を出すところが出てきますから。
今までは不動産投資は借金でするものという考え方が主流でした。ある意味それはお金のない方には受け入れやすい考え方です。見方を変えると、資金がないからそうしないと不動産は買えないのです。私は大きな借金で不動産投資をする時代はまもなく終わるような気がしています。これからの借金は身の丈を考えてされることをお勧めします。どのような状況になっても返せる範囲に抑えてください。しばらくは方向性のはっきりと見えない混沌とした時代になるような予感がしています。
次回はもっと具体的な物件についてお話します。

和合 実