知人が所有している不動産で、私も手に負えなかった物件があります。でも約1年かかって、それが無事取引されたと聞きました。 この物件は、収益でも実需でもターゲットになる人が見えにくかったのです。値段を下げれば買う人もいたかもしれないのですが、それでは損をします。
売却するにも損を出せないという中で、辛抱強く買主が現れるのを待っておられました。そしたら、損をしない価額で、また現状有姿で買いたいという人が現れたのです。
不動産は焦ったら負けになるケースと、焦らないと損が膨らむケースがあります。これは非常にむずかしい判断です。待ち続けて結局売れないままで、痛みが増すケースの方が多いのが実態ですから、よほど余裕がないと辛抱できません。
単に判断することができないまま、ほっておいての結果オーライというのは、1990年代までならそういうこともありました。でも、今の時代はそうではありません。
今回のケースは、言うなれば、「紙一重の中での粘り勝ち」という結果です。この売主さんには、幸運を呼び寄せられたのだと思います。そういう行いをされていたから、そう感じます。 和合実