赤字決算は融資に不利

ある法人で物件購入のため、銀行に融資申込をされましたが、通りませんでした。その理由は、長く赤字決算をされてきたためです。 無借金経営で、資金を借りる必要性がなかったため、税務申告は赤字でも何ら問題意識はなかったのです。

その法人の実力なら、黒字にすぐ転換できるのですが、それでも繰越欠損金が多くて、完全に赤字をなくすには数年かかります。ここがネックになっています。

税務上はそれでよくても、銀行からみると、金融庁の指導がありますから、ここに融資をすると要注意債権になってしまうのです。ですから、貸せないということです。正常債権比率を高めたいのはどこの銀行も同じです。

それでは法人でなく、個人で借りることも検討すればいいと思われるでしょうが、法人経営者の場合、一体的にみられてしまうため、結果は同じです。

自己資金50%でも難しいのです。その物件価額に見合うだけの資金力がなければ、銀行も二の足を踏みます。貸手の判断基準を知ることの重要性は、こういうところに出てきます。 和合実