契約書と違う処理

賃貸借契約書には、借主負担となっていても、借主が負担しない場合に、「貸主はどう対処すべきか」と聞かれることがよくあります。

私の回答には、「喧嘩をして得かどうかを考えてください。」ということが多いです。法的手段をとっても、時間とコストがかかりますから、それをするのが正解でないこともあります。

借主との縁切りをする覚悟なら、最終的に裁判してもいいでしょうが、それで出た答えに満足できるかというと、そうでもないケースが多いのが実態です。

借主が資金力のある大手企業なら別ですが、資金力のない小規模事業者には、裁判所も弱者救済の観点からの考慮もされていると感じます。また、裁判に勝っても、支払ってもらえないということもあります。ないところからは取れないということにもなるのです。

では、どうすればいいかと言いますと、相手が納得できるような妥協点を見つけるしかないのです。その場合に、たとえ貸主側が負担することになってもです。契約書通りにいかないこともあるものです。

それは理不尽なことですが、理不尽を飲み込むくらいの器がないと、大家業を苦痛に感じることも多々あろうかと思います。  和合実