先日、日経新聞に特定の上場企業の平均年収が掲載されていました。高いところになりますと、1500万円以上になります。これは全社員の平均ですから、個別に見ますと、おそらく部長クラスでは2000万円後半以上になるのではないかと想定されます。
このクラスの企業は上場企業の中でも、ごくごく少数派です。ちなみに、年収1000万円以上の所帯は、10%強ぐらいですから、個人レベルでは、数パーセントということになります。これを日本では富裕層と言われています。
しかし、アメリカのサンフランシスコでは、年収1400万円以下は、貧困層に分類されるという記事を見たことがあります。これはシリコンバレーに高収入の人が多いためで、全米で見ると、こんな分類はないのですが、それにしてもショックな事実です。
平成の時代に日本は成長が止まり、デフレが続いて、日銀が物価上昇目標を2%に定めて大規模金融緩和をしても、物価が上がらないという不思議な国になっています。百均ショップが繁盛している間は、物価は上がらないと思われます。高齢者が増え、物価は低い方が生活はしやすいのかもしれませんが、物価上昇がないので、賃金も上がりません。結果、中所得者が減り、低所得者が増えています。
一方で、先のように高所得者も増えてきていますから、日本国内で貧富の差が大きくなる流れは、止めようがないと思われます。景気をよくするためには、金持ちがもっとお金を使いたくなる、あるいは使わないと損と感じるような政策が必要です。国内経済の循環を良くするためにも、金持ちの消費を増やす政策が必要です。あるいは、中所得者を増やす政策を実行しないと、低所得者は増える一方です。 和合実