相続でもめないように

預金が数億円規模になりますと、銀行は高額預金者として、プライベイトバンキングの対象者として、管理しようとします。そういう人には、頼まなくても、相続税対策などを提案してきます。

私の顧客にもそういう人がいて、いろんなことを聞かされて、どれがいいかわからないという方もいます。高齢になりますと、考えることがうっとおしくなるもので、最終的には、中途半端になって、後は自分が死んでから相続人が考えればいいということになってしまいがちです。その場合、多くの場合、相続人間で争いが発生します。

そうならないようにするためにも、あれもこれもと多くの相続税対策しないで、払うべきものは払い、相続人同士がもめないように決めることが一番いいと思います。そのためにも、60代のうちに、いったんは相続について、遺言書を作成し、相続人が遺産分割でもめないようにと、あらかじめその視点で決めておくことがいいと思います。

不動産も収益性や換金性を考慮して、具体的に分けます。その時、共有にしないようにすることがコツです。相続人の数だけの不動産を揃え、多すぎる場合は売却し、少なすぎる場合は購入するのがいいと思います。相続税のことを気にするより、払えるように現金を用意しておいてあげれば、それで役目は終わりです。どこかで割り切ることが必要です。なぜなら、税金があるので全部は残りませんし、また全部残す必要もないからです。

老後は多すぎる収入を得る必要性はありません。使いきれない分は、世のため人の為に寄付をするということも、成功者の役割かと思います。  和合実