土地の価額が上がっているという話はよく聞きますが、それは日本全体で見ますと、限られたエリアでの話です。将来の人口の減少率が大きくなる傾向にある地域では、不動産価額は上がっていません。むしろ、下がっています。
特に過疎地域では土地を買う人がいなく、売るに売れないという問題が発生しています。今の都心部の不動産価額は、バブルの絶頂期を超えたとの報道があります。その原因には確かに、建物に関しては建築資材や人件費等のコスト高が影響していますが、土地価額の高騰はゼロ金利と金融緩和の政策影響が大です。誰もこれがバブルと言いませんが、私はバブルと思っています。
随分前から、土地価額は収益還元価額で決まっていくと言ってきましたが、なかなかそうならない原因は、その政策のひずみが出て、低い収益率に甘んじているため、土地価額は高くなっているのです。
しかしながら、一方では東京の地価はまだ安い方という見方もあります。日本人の平均個人所得が韓国にも追い抜かれ、物価も長らく上がってこなかったことから、不動産価額があがってきたと言っても、世界の大都市と比較すると、まだ東京は割安と映っているようです。
人口減少で、マンションやアパートに戸建て、すべての居住用不動産で空室率は高くなっています。不動産価額が上がっても、家賃は上がりませんし、逆に下がっています。いろんな物の値段が上がってきているのに家賃があがらないのはおかしいですが、そのおかしな現象がみられています。 和合実