住宅ローンの長期固定金利が上がっているようですが、日銀の相殺が変わって、もっと金利が上がるかと思っていましたが、これは期待外れです。短期金利はいまだにマイナス金利ですし、金利を上げるに上げられない事情が見えてきます。
円安や原油高、食料原材料高で、物価が上がっています。国民生活にとって厳しい傾向にありますが、それとは反対に、多くの上場企業で利益が高まる傾向にあり、株価もそれを反映してか、年初来高値にある企業は4割を超すようです。
上場企業に勤める人の賃金は上昇傾向ですが、中小企業では価格転嫁が抑えられ、賃金上昇をするのは厳しい環境にあます。そのため、独自技術のない中小企業は儲かっていませんから、物価上昇が続けば淘汰されていく企業が増えると思われます。
それが証拠に新型コロナ渦に融資された、言わゆるゼロゼロ融資の返済が始まり、返済できなくて倒産が増加傾向です。政府の財政赤字を顧みない予算執行で赤字国債は増え続けていますから、日銀は金利を上げたくても上げられないことを金融市場に見透かされているようです。
そうしますと、円安傾向は収まらず、財務省がいくら相場介入を行っても、それは一時的なもので、大きな流れとして円安ですから、今の物価は下がらないとみておくほうがいいということになります。
ガソリン価格が上昇し、補助金で価格を下げる政策も、いつまでするのか、補助金は赤字国債で賄っていますから、いずれは税金の引き上げにならざるを得ません。どの政権もこの問題解決に消極的です。財政赤字は膨らむ一方で、破裂するまで行くつもりかと思われます。
目先の価格対策より、国民所得が上がるような政策の実現を期待したいですが、かなわぬ夢かもしれません。この国の行く末はどうなるのかと、正直空恐ろしい感じがします。 和合実