耐震偽装の再発防止策の第三弾として上記法案が今国会に提出される。これは耐震偽装で被害を被った住人がデベロッパーの倒産により、 マンション建替えで2重ローンを負う羽目になったことを教訓にできた買主保護の法案です。売主側が倒産しても、その補修費用を供託制度と保険を使って保護しようというものです。供託の場合、仮に年間5,000戸の分譲マンションを供給するデベロッパーなら、供託金として3.4億円必要になります。保険の場合、戸あたり4~8万円必要とのことですから、4万円として×5,000戸=2億円になります。8万円なら4億円ということになります。保険の場合、この金額はデベロッパーにとっては収益の圧迫要因となりますので、最終的には分譲価額に上乗せされることになるかと思います。この制度の違反行為者には罰金または懲役が科せられる。安全を買うにはやはりコストがかかるということですが、まじめに業務をしているデベロッパーや購入者にとっては無駄な費用といえます。マンションデベの経営者にとっては、一部の不届き者のおかげでこうした費用負担の発生や、供託で資金を寝かすことに納得できない部分もあろうかと思います。そしてこの手続きには検査料や事務手数料の負担も発生します。見方を変えれば、これはまた一つ大義名分による役人の天下り先を作るということになろうかと思います。今国会で法成立しましたら、施行は公布から2年半後になる予定です。和合 実
3月 22