新築分譲マンションの供給(売り出し)価額の上昇がはっきりと現れてきました。それはまず実際に供給された物件価額を見るとよくわかります。 京都市の烏丸御池近辺で2003年6月に供給されたA物件の分譲坪単価が143万円であったのが、2005年6月供給のB物件では180万円になり、2006年5月供給のC物件では220万円となっています。実に50%以上のUP率です。
特に京都では景観保護のため、いわゆる田の字規制の区域内では中古物件の価額が急上昇しました。3年前に竣工した分譲マンションを3000万円で購入した人が、最近住み替えのため売りに出したところ、5000万円以上の値段で売却できたと聞きました。大阪市の上新庄でも2004年9月供給のD物件の分譲坪単価は129万円であったのが、2005年10月供給のE物件を見ると156万円になっています。これは分譲マンションデベロッパー各社の土地の仕入れ値が高騰した表れでもあります。今後はどうかといいますと、この秋口の商戦に供給される新築物件の価額は、今の価額よりもまだ高い値段の設定でお目見えするようですよ。
その一例として、大阪の大動脈、地下鉄御堂筋線の始発駅「なかもず」駅近辺で売りに出されている物件をみて見ましょう。現在当駅周辺では2つの物件が売りに出ています。一つは300戸規模の物件で分譲坪単価は130万円、もう一つは100戸規模で140万円。この差の理由はよく知りません。どちらも徒歩1~2分ですが、南海電鉄高野線の線路の北と南に分かれています。どちらもこの9月末(竣工)入居可能な物件です。そして2007年と2008年に竣工予定と思われる物件が2物件あります。ともに駅より徒歩5分前後となりますが、分譲坪単価の予定価額は145万円~150万円になるようです。この先の金利の上昇を考えますと、返済額は借入額の増加と相まって増加することを覚悟しておくほうがよさそうですよ。
どこに住むのも自由なら、いつ買うのも自由です。でも、そのこだわりの少ない人、近いうちにマンション購入予定の人は、その行動はより早いほうがよさそうです。大阪中心部だけでなく、「なかもず」のような郊外でも、利便性のよいところは上昇傾向なのです。いつまで上昇基調が続くのか正直わかりませんが、来年はまだその範疇であると思っています。新築分譲マンションの買い時の一つが、秋の新値が出る前の、この9月であるような感じがします。「百聞は一見に如かず」といいます。今後購入検討予定の方は、この週末、モデルルーム巡りでもしてみてはどうでしょうか? 和合実