先日のボクシングWBC世界フライ級タイトルマッチ、世界チャンピオン内藤大助選手と亀田大毅選手の試合をご覧になりましたか？ 反則されても終始冷静に、プロのボクサーとしてルールを守り、戦い、そして勝利した内藤選手には感動しましたね。
マスコミが亀田選手の話題性や視聴率の取れる選手として、品のない言動を許して来たところは否めません。今回の試合で溜飲を下げた人も多かったのか、亀田選手びいきのテレビ局や、ボクシング協会に亀田選手の言動や反則に抗議の電話やメールが殺到しました。じっとしてはいられなくなったボクシング協会は、亀田選手に何らかの処分をするようです。「傍若無人はいつか落ちる」はホリエモンの姿とダブりました。
ボクシング協会の動きは、先の日本相撲協会と同じ轍を踏まないようにとの思惑も感じられます。すばやく対応することは良いのですが、もっと早く、兆候が出始めた段階で、亀田選手を諌めるという行動を取っていたら、信頼は磐石になったことでしょう。政治や企業においても同じですが、世間の動きをキャッチして行動するのもいいのですが、トップに立つ人物に自らの判断で英断を下せる気骨のある人が少なくなっている風潮が寂しいですね。
今回の内藤選手の闘いは、亀田選手だけでなく、マスコミとの闘いでもあったのではと感じます。よくぞ勝ってくれたと、心より拍手喝采を送りたい。登校拒否の子供が内藤選手の闘いぶりを見て、登校するようになっと聞きます。言葉でなく、行動で表現したことの意味は非常に大きいですね。
彼が東洋フライ級チャンピオンになったばかりの頃はまだ無名でしたが、世界チャンプを目指していることは知っていました。それまでとそれ以降も平坦な道のりではなかったと思います。東洋フライ級チャンピオンになったとき、彼にサインを頂き、握手をさせてもらいました。手や拳は思いのほか小さく、私の方がずっと大きいのです。体も外見は強靭な肉体を全く感じさせない小柄な人で、はにかみやの朴訥な人柄だと感じました。
初めての世界戦で敗れたときは、年齢的にも再戦のチャンスはないかもしれないと正直思いましたが、彼は下向きに諦めることなくトレーニングを積み、二度目の世界戦のチャンスを獲得。メジャーなテレビ放送もない中、見事勝ち、世界チャンプになったのです。このときは私自身も熱いものを体の中に感じ、目も潤むほど嬉しく思いました。そして今回亀田選手との対戦で、初めて世間に注目され勝利したのです。下積みの長かった３３歳のヒーロー誕生の瞬間でした。長年の苦労が実った後の勇姿を拝見するのは、なんとも嬉しいものです。心よりお祝いを述べたいと思います。
世界チャンピオン内藤大助選手、輝かしい勝利、おめでとうございます。そして、真の勇者の心意気を見せてくれてありがとう。 和合 実
