がせネタ

 親しい不動産業者さんから電話があり、良さそうな物件があると聞き、その場で内容を確認していきました。その人も付き合いのある業者さんからの話のまた聞きです。 物件価額、最寄り駅、距離、土地面積、築年数、構造、収益率等を聞くうちに、私もこれなら顧客にお勧めできると思い、資料をいただくことにしました。条件はそろっていました。でもそんなにいい物件があるのかなとも思え、訳ありで何か問題があるのではとさえ思えました。

 とりあえず住所だけ聞き、物件を地図上で探し当てました。まず先に私に電話をくれた業者さんが、現地と売却条件詳細を確認することになりました。それから、1日経って再度電話があり、がせネタであることがわかりました。既に売却済みとのことです。そう聞きますと売り物であったと言えますが、私はそれさえも疑ってしまいます。仮に売り物であったなら、これはいいと即判断し、3日以内に買付けを取得するぐらいの流れで仕事をしないと買えない物件です。たぶんこの情報発信者の業者さんは、稼げていないのではないかと思います。物件確認もせずに情報と言って流しているということは、売主から遠い存在ということです。

 同じような話が、買付けにもありました。買主が決済のできない業者さんや、詰めていけば買主にまで行くのに、ほかに2業者を通さないといけないという類です。売り買い共に、業者数が増えれば増えるほどまとまらないものです。ぬか喜びと無駄に時間を費やすことはしたくありませんから、いい情報と思えるものほど、動く前に確認が必要です。それができないと、特に大手の仲介会社では営業は勤まりません。なぜなら信頼を失うからです。大手に情報が集まるのは信頼感があるからです。信頼を失うのは一瞬ですが、築くには時間がかかります。そのことのわかっていない営業マンが大手にも増えているような気がしています。 大手企業にも社員教育に時間をかける余裕がないのでしょうかね。私はここが生命線のように思うのですが・・・。和合 実