今年の経済環境がよいと書かれた新聞は皆無でしたね。昨年下旬からの企業業績の悪化傾向は、当面続きそうです。年末年始の新聞記事等も踏まえ、不動産に関係
するところで、私が肌で感じる点も加えて、先行き予測について述べたいと思います。
1.価額: 不動産価額については、当面はまだ下落基調です。金融市場の安定化がポイントです。ここが解決すればという前提ですが、大手の不動産デベロッパーの動きから、今年後半には底を打つように感じています。
築浅で2億円以下の収益不動産については、不良債権処理時のように表面利回りが15%を超えるような物件は、市場に流通することはないように思えます。都心なら10%いけば、かなり良いと利回りと言えると思います。
2.税金: 取得にかかる税金は昨年同様、軽減措置が続く予定です。事業用資産の買換特例も延長予定です。
3.融資: 簡単に言いますと、銀行は無理な融資はしないという傾向にあります。審査基準のハードルが高くなっていますので、借入れできること自体がありがたいと言えます。
4.金利: 金利につきましては、当面上昇する気配はありません。昨年10月以降下落基調です。これは世界的な動きですから、長期の固定金利を選択するにはいい時期といえると思います。
5.優遇金利: 企業の資金需要が強く、銀行にとって優遇する価値のある顧客以外は、優遇貸出しのメリットがないと判断され、昨年のようには行かない傾向にあります。
6.物件の数: 売り出される物件は多くなります。売急ぎの物件情報にいい物があるかと思います。その場合、買える人は融資特約無しで購入できる人です。お勧め物件は昨年よりも多くなりますが、圧倒的にそうでない物件の方が多くなると思います。
7.企業業績の回復時期: これは来年に持越しとなるような感じです。今年は財政出動と、実質的な日銀の低金利・量的緩和政策で景気の下支えをするでしょう。しかし、経済全体が急速に復活するといえない状況です。
8.景気動向: 当面デフレ傾向になると思いますが、おそらく10年以内はインフレになっていくと思います。財政赤字解消の目処が益々遠のくからです。
(総括) 以上のことを踏まえて、収益不動産に関して申し上げますと、今年は買いチャンスです。特に金融資産の多い人にとっては絶好の機会と言えると思います。是非このチャンスを逃さないで頂きたいと思います。 和合実