バブル崩壊後の銀行の不良債権処理と、リーマンショック後の不良債権処理の手法に変化が見られます。前者の場合、公的資金の注入をしてでも、できるだけ
早く損失処理をするため、サービサーに不良債権を売却した経緯がありますが、後者の場合、それをせず、できるだけ損失を顕在化させない方向に動いている様子が伺えます。
銀行体力の問題なのか、あるいは二度と公的資金の注入は受けたくないという姿勢の表れなのかもしれません。
今は債務不履行で不動産を売却したくても、その価額が債権額に満たない場合は、抵当権の抹消に応じないケースが増えてきています。
当然不動産価額が高いと売買は成立しませんから、不動産は流通しません。時代背景が異なると、同じ不況でも不動産の動き方が違うということです。 和合実