1年ほど前に売りに出た物件ですが、その時はテナントさんが家賃を下げてほしいと言われ、退去するかもしれないということをお聞きして、見送った物件がありました。
テナントさん自身が移転先を探しているという話もあったのです。そうしますと、現状は良くてもお勧めできません。
1年後のあるとき、どうも気になって、この物件がどうなったか確認することにしたのです。そうしましたら、売れてはいなく、当時のままのテナントさんが入居中とのことでした。
場所も悪くないですし、仮にテナントさんが出られても大きく損をするわけでないと思いましたので、私が購入しようかと思いました。
なぜそう思ったかと言いますと、1年も転居先を探しても見つからないということは、ないものを求められているということですから、本当に家賃が高いということですと、すでに出て行っても
おかしくないと思うのです。それが退去もせず、家賃もそのままであるということは、ある意味、その物件の価値を認められているということになります。
そこで他のテナントニーズや更地売却時の価額を調べてみますと、ニーズもあり、2年ほど家賃をもらえれば、その後更地売却しても損をしないということがわかりました。
ちょうどそのとき、物件を求められている顧客に私が購入を検討していると言いましたら、この物件を購入したいと言われ、その方に購入していただくことになりました。
融資を使われたのですが、物件価額の95%も融資が付いたのです。これは非常に評価の高い物件ということです。
こういう物件もあるのです。正直、私はこの方が買わないという返事をされるのを若干期待していた部分と、いい物件を買って戴けてよかったという思いと交錯した気持ちです。
私は自分がいいと思ってご紹介した物件で、顧客の買わないと言われた物件や、難易度のちょっと高めの物件を買っていますが、それでもいい物件を取得できたと満足しています。 和合実