経済的弱者を蝕むコロナウイルス

新型コロナウイルスの感染拡大で、人の移動が制限され、飲食店はもとより、かつてない厳しい状況の観光産業の悲鳴が聞こえてきます。ホテル・旅館業や、土産物店、旅行代理店、航空会社、観光バス会社等の観光関連産業は、お手上げ状態になっています。

新型コロナウイルス感染症の終息が見えない中、返済猶予されている融資の返済が始まりだしますと、資金繰りに苦しくなるところも多く出てきます。倒産するところや廃業するところも出てくると思われ、不動産価額に影響が出そうです。

すでに倒産や廃業で、売りに出ている飲食店舗があります。特に小型店舗は個人経営店舗が多く、立地も規模もAランクとは言えません。そういう店舗の買主は通常個人になりますから、今買う必要性も低く、売れない状況が続くと思われます。

また、仕事を失った人が住宅ローンの返済ができなくなり、自宅を手放す人も増えてきています。それらの住宅価額は下がっていますから、売却してもローン残高が残るようなケースも多々あるようです。

反対に、富裕層はコロナバブルで株価が上昇し、それで得た利益を住宅に回す人も出てきています。そういう人は都心の高級立地のマンションを購入されています。新築時より高い価額の中古マンションでも、株で儲けたからと、高い価額でも買われるので、立地条件次第では住宅価額は上昇しています。

貧富の格差問題は言われ出して久しい問題ですが、コロナ終息後はよりはっきりと出てくると思われます。自然災害も怖いですが、感染症は、経済的強者より経済的弱者を蝕んでいく厄介な問題です。  和合実