オリパラ終了後の不動産価額

新型コロナウイルスの感染症拡大の影響もあって、賛成反対両者拮抗する中でのオリンピック・パラリンピックも閉幕となりました。「これが成功したかどうかは、後世の人が決められる」と、大会組織委員長の橋本聖子氏は言われていましたが、どちらにも配慮し、批判もされないように、玉虫色の政治的発言で締めくくられました。

少なくとも、出場選手にとっては、本大会が開催されたことはありがたく、感謝であったであろうと思います。ですから、メダルを取った後のインタビューでも、ほぼすべての選手が、感謝の言葉を表されていました。各々の大会で、数多くの感動シーンがありました。選手にも感謝です。

さて、オリパラ終了後の不動産価額は、どこの国においても、値下がりが見受けられるのですが、日本ではいまだその気配がありません。通常、開催年には売りが先行して、開催前から下がり基調が見えるのですが、その気配は全くありません。コロナの影響で、オリパラに関係なく、インバウンドの恩恵を受けられなくなった特定エリアは、それまで上がっていた分、路線価も大幅下落しましたから、オリパラ終了の影響は消えてしまったような感じです。

都心のマンション価額は依然好調に推移していますし、これからの経済対策を期待して、株価も上昇していますから、不動産価額が下がる傾向にはありません。株価は上がれば、不動産価額は上がるのです。でも、すべての不動産価額が上昇するのでなく、選別されているのは確かで、都心では資産価値で、地方では収益価値で、不動産価値が見られていると思います。

収益価値で見るのは正しい見方ですが、都心の資産価値は疑問があります。金余り現象の中で行き場のない低金利資金が不動産に向かっているため、低収益でも売買が成立し、不動産価額が上昇しているのです。ひとたび金利があがれば、成り立たない価額です。すなわち、バブル価額と私は見ています。 和合実