岸田内閣が発足して、通常ご祝儀相場で株価も上昇すると思いきや、反対に大幅下落になりました。この原因は外部要因と言えなくもありませんが、それにしても下がり過ぎの感がありました。
これを素直に受け止めれば、新政権は、期待されていない、あるいは市場は期待していないというべきかもしれません。10月31日に衆議院議員選挙があります。これで自民党が過半数を取れないばかりか、選挙で負ければ、持ち直しつつある株価も再度大きく下がる可能性もあります。
岸田首相は、「与党で過半数」を最低目標にしています。すでに自民党だけでは過半数に届かないと考えているのかもしれません。あるいは、そう言っておかないと、自民党が過半数割れをしたときに、責任を追及されかねないので、あらかじめ、布石を打っての発言とも言えます。
いずれにしましても、新内閣の顔ぶれを見て、あぶなっかしいとの評価が株価に出たのかもしれません。経済対策の面においても、言うだけに終わるのではないかと危惧されているから、株価が上がらないという面も垣間見えます。
不動産価額はどうかと言いますと、一面、株価に連動してきましたので、下がってもおかしくはないのですが、先はまだ見えません。もう一方で、不動産は金融政策に影響を受けます。このまま金融緩和が続くようですから、こちらの面からは下がりにくいとみています。 和合実